#playthemomentーいま、演劇が立ち上がるさまを追う。ー
『たかが世界の終わり』特設サイト
2020年、
閉鎖された劇場で敢行された無観客の舞台。
1時間50分ワンカット。
オンライン配信で視聴者を驚きと感動の渦に巻き込んだ本作が
2023年 劇場初公開!
最新情報は公式Twitterをチェック!@dai7sedaizikken
Introductionーイントロダクションー
上演作品は、
「たかが世界の終わり」
フランスの劇作家ジャン=リュック・ラガルス著。
近年ではグザヴィエ・ドラン監督が映画化したことでも話題を呼んだ。
本作の主人公ルイ(藤原季節)は、自身の余命が僅かであることを知り、長年会うことを避けてきた家族の元へ帰郷する。死期が近づいている事を打ち明けようと決心するが、ルイの弟、妹、母、そして弟の妻は話す隙を与えない。
どこまでも噛み合わずに進んでゆく彼らの会話劇は、1995年に38歳で亡くなった著者の自叙伝とも言われる。最長10ページにも及ぶモノローグが特徴的なフランスの現代戯曲。
1台のカメラで、
1時間50分ワンカット長回しに挑戦!
本作は一回限りの無観客上演を1台のカメラでワンカット収録。
撮影を担当するのは、是枝裕和監督などの映画作品で知られる撮影監督山崎裕に師事し、
現在はドキュメンタリーと映画の撮影をメインに活動する武井俊幸。
舞台ならではの緊張感、没入感のある映像を目指し1時間50分の長回し撮影に挑みました。
故・蜷川幸雄の元で育った俳優たちを中心とした、
"第7世代実験室"の新しい試み。
Message ー演出よりメッセージー
演劇は横文字で言うと、
「ライブパフォーミングアーツ(Live performing arts)」
という分野に入るのだそうだ。
これは、
「いま、目の前で (=Live)」
「行われている(=Performing)」
「芸術(=Arts)」
と言うことだろうか。
僕にとって、この言葉はとても腑に落ちる。
刻一刻と変わり続ける状況の中
「いま、目の前で演じること」が
「一期一会」の体験であって、
それが重要だと思ってきた。
そういう当然だと思っていたことが、いま、
なんとも重くのしかかる。
「いま、目の前で」という演劇にとって、
とても大きな要素がひとつ抜かれた状況下で、
果たして「一期一会」の演劇を全うできるのか。
けれど、「それでも、頑張るしかない」
と僕たちはすぐに思いました。
この原点は蜷川さんであると言わざるを得ません。
いつまでも、師匠の名前をだすのは
弟子たちとしてあまり望ましくないので、
正直いって認めたくないのですが、
僕たちはこの「~するしかない」
という言葉のなかで育てられてきたのです。
「理解するしかない」
「覚えるしかない」
「上手くなるしかない」etc…
僕たちの意識の中に自然とプログラミングされていった、
この「~するしかない」の言葉。
もしも現在、師匠がこの世にいましたら、
高い確率でこう言ったのではないかと推測します。
(他のことももちろん言っただろうけど)
「頑張るしかない」
そんなわけで、
「いま、目の前で」を封じられた僕たちが、
配信という形で「一期一会」を全力で果たそうとした、
誠心誠意、努力と工夫の結晶です。
ぜひ、試しに観ていってください。